出ポタ記

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雑記171

ゆらゆら帝国亀川千代さんが亡くなった。

合掌。

30を越えたあたりから知っている方の訃報が増えた。あまつさえ「まだお若かったのに…」などと、自分の年齢を棚に上げて歳上の方へ言ってしまうこともあるくらいだ。

闘病されていたそうだが54歳というのは若すぎると思う。昨年末にチバユウスケが亡くなった時も同じことを考えてしまったな。

 

私が音楽に興味を持ち始めた頃、まだゆらゆら帝国は活動していた。そうした意味ではリアタイ世代ではあるのだ…が、実際に聴くようになったのは彼らが2010年にあの有名なフレーズ(「バンドとして完全にできあがってしまいました」というやつ)を残して解散をし、それから暫く経ってからの事だった。

 

ただ音楽こそ聴いたことがなくとも、ゆらゆら帝国というバンドの強烈すぎるビジュアルは知っていた…というか、一度見て忘れられるような感じではなかった。

説明は割愛するけども、3者3様の唯一無二の佇まい…その3人が生み出すバンドサウンドは、現在までの邦楽ロックの中でもある種では「異端・異質」な要素ではあるものの、確実に受け継がれているものだと思う。

ブルースロックなんかを下地に極めて土俗的な、日本でしか生まれ得ない表現を盛り込んだ音楽だったから。

 

つらつらとゆらゆら帝国について書いてしまった。

ここからは亀川さんについていくつか個人的な出来事を書いていこうと思う。

直接的な面識はないが、人生の交点で数度ばかり接する機会があった。

 

亀川さんは昔よくブックオフ国立南口店のCDコーナーでお見かけした。
もう多分下手したら10年近く昔の話だが、当時国立店の250〜500円CDのコーナーはかなり狂っていて、紙ジャケや帯付きのマイナーな洋楽などが毎週のように大量に放出されていた。

よく(金持ちが住んでるエリアって品揃えすげぇな…)と思ったものだった。今だったら間違いなくせどりが押し寄せていただろうと思う。

僕個人の思い出としてはフライングリザーズ「フォースウォール」の国内盤、ゴールデンパロミノスの1st、フィーリーズの「オンリーライフ」あたりを250円コーナーで見つけた記憶が強い。なんかアントン・フィアー周り多いな。同じ人が売ったんだろうか…

また話がそれてしまった。

でもおそらくは亀川さんも音楽好きの嗅覚みたいなものか、或いは単純に活動圏の中だったかでよく訪れられていたのだと思う。

 

そういえば僕がユニオンで働いていた時代にも何度か来店されて、入荷したビートルズのボックスなんかを見ていかれたのを覚えている。
一度もこちらから話しかけられなかったけど、すごく物腰の柔らかい方で「ステージではあんなに激しい方も普段はこんな感じなんだなぁ」と感じて、前述のブックオフの件もあり勝手に親しみを覚えたりもした。

 

西荻窪から6〜7分歩いたところに「ぷあん」というタイ料理屋さんがあった。このお店は亀川さんの奥様がひらいているお店で、一度だけ当時のフォロワーの女の子と食べに行ったことがある。

当然亀川さんにはお会いできなかったが、ここでカオソーイというタイ式ラーメンみたいなやつを食べた。相手は生春巻きにサラダみたいなのもつけて食べていた気がする。

料理はとても美味しかった。本場の味は知らないけど、僕が人生で食べたタイ料理ナンバーワンはぷあんのカオソーイだ。

たしか写真を撮った気もするが…とドライブを探してみたが見つからなかった…残念。

そのフォロワーとも疎遠になってしまって、今は名前も思い出せない。昔はよく電話していた気がするけど…

精神的に難しい女の子で僕には何もできなかったが、今もどこかで元気に生きていて欲しいと思う。

 

と、まぁここまで書いて分かる通り亀川さんについて書いても「だと思う」「だった気がする」というような、憶測だったり主観でしか言えることしか僕にはない。

ユニオンのレジで「ビートルズのこのアルバムお好きなんですか?」とか、ブックオフで隣り同士で棚を見ている時に「この店の品揃え結構いいですよね〜」とか話しかけてみればよかったな〜とかね。そんな後悔はあるけど…どうせできなかっただろうなぁ…。

 

いつか天国でお会いできたら聞いてみたいことがいっぱいあります。今度はぜひお話させてください。

亀川千代さん、どうぞ安らかに。